2006 Tour of Japan 東京ステージ 5/21

東京まで帰ってきました。今年は全員ゾンビですが・・・・。
総合争いは昨日まで。今日のコントロールは緩いだろう。
昨晩のチームミーティグで自分は、日比谷からアタックして逃げます!と宣言した。
ここまでただ集団にいるだけで、レースをしてるとは言いがたい。ただ遅れないように走ってるだけだ。
これじゃ何にも残らない。と思って総合争いも決着して、ある程度逃げが決まりやすいであろう東京で序盤から逃げることにした。

日比谷につくと、さすが地元だけあって、たくさんのクラブ員、友達が応援に来てくれた。みんなと楽しく話でもしたいんだけど、スタートから行くので、話しもそうそうにアップに出かける。いつもよりかなり入念にアップをこなして、テントに戻って最後の準備。誰とも話せないほど集中出来てた。雰囲気を察知してか、誰も話かけてこない・・・。怖かっただけ?
最後に柿木さんから「行く?」と言われて「スタートから行きます!」と最終確認。いろいろアドバイスを貰って、とっととスタートラインに移動。最前列でスタートです。

スタートすると、マトリックスとアイサンが最初のアタック。もがいて反応したが、全然スピードがない。あっという間に抜いてしまって前で引く。が、全然前に出てこない。逃げたくないんでしょうか?理解不能でした。その後も単発のアタックが何度もあり、あっち乗り、こっちに乗りとアタックのはしごをしてなんとか逃げようとするが、どーにも決まらない。そんなにスピードも出てないし。

しばらくして、yahoo!の福島(弟)がアタック。そこに吉田君が入ったが、集団との差は開かなく程なくして吸収。こりゃ大井埠頭まで逃げは決まらないかも。

集団の前で走ってたら、気づくと総合リーダーのデューマ選手の後ろにいる自分。前にはユニバーサルカフェの列車が一本あるのみ。うわー最高の位置。であると同時に場違い。いつかこの位置を走れる選手になりたい。

でここで気づいたこと。デューマ選手が、チームメイトにチェックする逃げを指示している。まぁ狩野さんとかが逃げたらチェックするのはわかるんだけど、yahoo!や、シマノのアシストが逃げようとしても、すかさずチームメイトに指示を出す。どうして?ミノルタの選手なんかもチェックされてる。総合には関係の無いチームなのに・・・・。

結局そのまま大井埠頭へ突入。1周目が終わろうとしているときに、目の前の鉄板つきボルトをよけ切れず後輪がパンク。集団のかなり前のパンクだったので、ずるずるとさがってホイールを外してチームカーを待つ・・・待つ・・・待つ・・・こない。さすがに14番目のチームカーはくるのも時間がかかります。このヘンも弱いチームは不利になるんだなぁ。身をもって体験してしまいました。

チームカーがくるちょっと前に日尚商会さんのニュートラルがきて、ホイール交換してくれた。さぁ追っかけるぞ。と思って走り出した。チームカーを使って1周ほどかけてチームカー隊列の最後が見える位置まで来た。 が、なんかスピードが伸びないと同時に、妙な衝撃が続く。なんだろう?と後輪をみると、へこんでる。またパンクか?と思ったが、その後もそのまま。まさか・・・・・考えないようにしよう。

カーペーサーで前を追ってるとき、柿木さんが、車から乗り出して常に前の状況、アドバイスをくれた。本当に心強かったし、落ち着いて走れました。 この辺りは柿木さんの経験が、すごく生かされていて勉強になります。自分たちも、この経験をクラブにフィードバックしなくては。

集団のペースもおちついていて、隊列の最後まで来た。このまま集団のケツまで上がって・・・と思ったんだが、チームカーとはここでさようなら。ここから16台ほどを自分の力で抜いて復帰しなくてはなrない。 順調に残り4台まできたんだが、ここで集団のペースも上がり始めて(アタックがかかりはじめたらしい)、詰まるどころか、次第に離されていく。なんとか粘ったが、すべてのチームカーが前に移動して単独走行。と同時に凄い向かい風。こんなに風あったのか。

集団が次第に小さくなっていって、もう無理かな?と一瞬頭をよぎりましたが、たくさんの応援に答えるためにも最後まであきらめないで走ろうと思って、ペースを落とすことなくなんとか頑張りました。
よだれだらだらでしたが、拭く気力もなく、みっともない姿を露呈してしまいました・・・・。

その後1時間ぐらい走っておろされました。回収車って最悪ですね。二度と体験したくないです。しかも回収車から降りた地点が、なんとゴール地点。目の前にはなるしま大応援団。マジですか・・・なにもこんなど真ん中で・・・・。と思いました。回収車はもう勘弁です。

てくてくと歩いてると、肩をたたかれ「お疲れっ!」とさわやかな声。あ、今中さんの声。いろいろと話をして、ここまでこれるってのは立派だよ。と励ましてもらった。今日はまぁ仕方ないよ。次頑張れよな。と言ってもらった。嬉しかった。

その後はみんなに挨拶したりしてたんだけど、口から出るのは、「申し訳ないです。せっかく応援にきてもらってるのにすいませんでした」の言葉のみ。恥ずかしくて顔向けできないです・・・。

レースのほうは、5人ほどの逃げ集団が形成されていて、ミヤタの鈴木選手がすべてのポイントを獲得して、逆転でポイント賞を決めた。

のこり8周ほどから、ユニバーサルカフェとカペックが協調して逃げを追い始めた。カペックはスプリンター居ないのになんで??と謎だったが、のこり3周、逃げが吸収されたあとに、動きがあった。
ユニバーサルカフェのベロフォシックスを含む強力な逃げが決まった。そこにカペックが2人入ってる。その一人はミズロフ。あーそういうことか。 ミズロフは総合で4位ぐらい。狩野さんと30秒ぐらいの差で、ここで差を広げれば総合で3位に入ることが出来る。カペックはこれを狙ってレース前にユニバーサルカフェと話をつけていたのだろう。 それなら前半の動きも納得だ。
ユニバーサルカフェはベロフォシックスに逃げされてステージを取りたい。カペックはその逃げを手伝うかわりにミズロフを逃げ集団に乗せて総合3位を狙うつもり。 

カペックの作戦は見事的中。 そのまま5人の逃げは順調に逃げ始め集団との差は最大1分ほどまで開く。問題なのはシマノ。ミズロフを捕まえないと狩野さんの表彰台が消える。必死になって先頭を引き始めるが、実力の差も歴然。なにせ前には平坦TTが猛烈に速いベロフォシックスがいる。カペックも逃げるために必死にペースを上げてる。
後ろの集団はyahoo!なども強力して日本人で追い出すが、差はあまりつまらない。 集団から抜けだして前を追おうとする選手は、徹底的にユニバーサルカフェとカペックにつぶされる。


絶体絶命とはこのことか・・・・


もう逃げが決まるのは決定。最後の直線で逃げ集団からベロフォシックスが全開のアタックで単独で抜けだして優勝。凄かった・・・・。
ミズロフも目論見通り総合順位を3位に上げて、見事表彰台。作戦が完璧にはまった形です。

これで全ステージが終わり。なるしまチームは課題ばかりが山積みになった形ですが、発見もすくなからずあったと思います。 自分は去年とまったく違うレース運びが出来たし、飯田では、最後の勝負がかかるところまで肉眼でレースを見れたのが大きかった。東京のパンクで学ぶことも多かったです。

ホテルに戻ってパーティ。ガツガツ飯を食ってたら、後ろから肩もまれて「おーい今日どうしたんだ?」と橋川さん。すいません・・・ってなぜか誤っちゃった。 パンクでおつけませんでした・・・。とかいろいろ話してたら、また励ましてもらった。いつもいろいろ相談に乗ってもらって、レース会場でもフランクに話してくれてる橋川さんのためにももっと強くなって、レースで恩返しするぞ!
橋川さんが最後に「今年は須藤に負けたよーあっはっは!」と言われたとき、あ、去年よりちょっとは認めてもらえたのかな?と思いました。

最後に、全ステージ通して献身的なサポートをしていただいた、鈴木監督、漆戸さん、柿木さん。ありがとうございました。そして応援に来てくださった皆様ありがとうございました。

実業団は始まったばかりなので、この経験を生かして、今年はガンガンいきたいと思います!